夏休みの宿題の中でも手がかかって最後に残りがちなのが読書感想文です。
感想文はコツを知っているだけで書きやすくなり、出来栄えもうんとよくなるんです。
逆にコツを知らないと、ただの苦行でしかありません。
自慢するわけではありませんが、私は読書感想文が得意で、3回に2回は賞をもらっていました。
才能があるわけではなく、コツを知っていたからだと思います。
読書感想文の書き方は教える人によって違いがありますが、私流のやり方を紹介しますので、良ければ参考にしてください。
- 本選びは重要!(あとがき付きの課題図書がおすすめ)
- 作者が言いたいことを探すつもりで読む
- いきなり清書せずに、まずは下書きをする
- 自分の意見を交えながら、感想文の流れを意識して書く
- 下書きを読み返し、削ったり付け加えたりして整える
もくじ
ステップ1 本選び
当然ですが、読書感想文はまず本選びからはじまります。
この本選びが一番重要なんですよ!
選んだ本が感想文向きでないと、まとまりがなくて何が言いたいかわからない感想文になるからです。
読書感想文が書きやすい本は、明確なテーマがあって、作者が本を通じて何を言いたいかが分かりやすい本です。
ただ単に読みやすいだけの本を読むと失敗します。
ライトノベルはとても読みやすいし人気がありますが、作者が伝えたいことなんかよくわかりません。
こういう本を選ぶと全然感想文が書けなくて焦るのみです。
おすすめは課題図書です。過去の課題図書でもかまいません。
感想文を書くために選ばれている本なので、テーマがはっきりしていて感想文が書きやすいんです!
ちなみに今年の課題図書で感想文を書くなら、読書感想文書き方ドリルを買うことをおすすめします。
この本には各課題図書ごとに、本のテーマやポイントとなる場面などの解説が書かれています。
先に内容やテーマを頭に入れてから本を読むと、読むのも楽になりますよ!
2018年の課題図書はこれ!
小学校低学年の部
小学校中学年の部
小学校高学年の部
過去の課題図書は↓のページで確認できます。
過去の課題図書一覧を見に行く
課題図書の中でおすすめの本
課題図書の中でもおすすめなのが、あとがきが付いている本です。
全ての本がそうではありませんが、課題図書のあとがきでは、作者が本の中で伝えたかったことやテーマについて触れられていることが多いんです。
そんな場合はあとがきを参考にすると、とても書きやすくなりますよ。
今年の課題図書は本屋で売っているので、あとがきだけ確認してみてもいいですし、過去の課題図書は図書館に置いてありますから、探してみて下さい。
数冊借りて読んで、その中から書きやすいものを選べばいいですよ。
ステップ2 本を読む
本の読み方にもコツがあります。
テーマや作者が伝えたかったことを探すように読んでください。
テーマにつながりそうなところには、ふせんを貼りながら読むと後から読み返しやすいですよ。
1回読んだだけで感想文を書くのは難しいので、最低でも2~3回は読んでくださいね。
ステップ3 下書き
必ず下書き用の原稿用紙に書いてください。
思ったままに書くと、予想以上に長くなったり短くなったりしますし、後から書き直したくなる部分も出てきます。
下書きをするときも、思うままに書くのではなくて、どうやってまとめたいかを考えながら書くといいですよ。
ポイント1 題名は最後に考える
よくある「○○を読んで」でもいいんですが、ありきたりで面白くありません。
私はその本のテーマをズバッと書きます。
最初に書くのは難しいので、文章をまとめ終わってから考えると、意外とすんなり決まります。
ポイント2 自分の体験や考えを書く
感想文は『自分の体験や考えを交えて本の感想を書く』作文です。
自分の意見や体験が書かれていなければ、誰でも書けるあらすじと感想になります。
- 自分だったらどうするのか
- 同じような体験をしたことはないか
など、考えてみてください。
ポイント3 流れを意識して書く
感想文には決まった流れがあります。それを意識して書いてください。
1段落目(冒頭)
この本を読んでどう思ったか、一言で表す。(大抵は作者が言いたいことを書きます。)
2段落目
なぜこの本を読んだのか、本のあらすじなどを大まかに書く。小学生の場合、大体100~150字くらい。
3段落目~4段落目
本の中で特に印象に残ったことを、自分の考えを交えて書く。
- 自分だったらどうしていたか
- 実際の自分と比べてどうなのか
- 主人公や本の中の人物の行動をどう思ったか
などを書いていく。
5段落目~まとめ
本を読んで学んだこと(=作者が言いたいこと)を書く。それを活かしてこれからどうしたいかなどを自分の言葉で書く。
あとがきには作者の言いたいことが書いてあるので、それを自分の言葉にして、肉付けしながら書いてください。
この流れを意識して書くだけで、まとまりのある感想文になりますよ。
感想文の例
平成28年度 小学校中学年向けの課題図書「さかさ町」を例に感想文を書くとこのようになります。
簡単に書いているので必要な文字数には達しませんが、参考にしてみてください。
題名
さかさ町で見えたもの
1段落目(自分が思ったこと・テーマ)
さかさからものを見直してみるだけで、新しい良さが見えてくるんだ。この本を読んでこう思いました。
2段落目(あらすじ)
この本は、名前の通りさかさになっている町を探検する物語です。さかさ町は、本当に何でも逆さになっています。題名を見て、ただ建物が反対になっているだけかと思っていたら、町のルールをはじめとするいろいろなことが、私たちの生活とはさかさになっていました。
例えば、お店に行って買い物をすると逆にお金をもらえたり、野球は点数が多い方が負けになったりするのです。
3段落目(印象に残ったこと・自分の体験)
特に印象に残っているのは、学校では忘れることを勉強することです。私は忘れることは悪い事だと思っていました。なぜかというと、テストで正しい答えを忘れてしまって間違った答えを書くとバツが付くからです。
でも、さかさ町の先生が言っていたように、忘れたほうがうまく行くこともたくさんあると思います。例えば・・・(この後に自分の辛かった体験を書いて、それをすぐに忘れていたらもっとうまく行ったかもしれない、などと書く)だから、覚えるのと同じくらい忘れることも大切なんだと、さかさ町の先生から教わりました。
4段落目(自分で考えたこと)
私たちの生活でさかさにできることは何かないかと思って考えてみました。例えば、夜学校に行って朝に寝る生活をするとします。(この後に、夜学校に行って朝に寝る生活でのメリットデメリット、普段の朝学校に行って夕方に帰る生活のメリットデメリットを書く)
5段落目(本を読んで学んだこと)
さかさ町を読んで、当たり前にしていることを違った方向から見ると、当たり前の中にある良い所や、変えたほうがいい所がたくさん見えてくることを学びました。これが普通だと思っている事でも、見方を変えてみるだけでガラッと世界が変わります。
まとめ
これからは何でもこれが普通だと決めつけずに、色々な方向からものを見てみたいと思います。そしてそこから見えたことを、家族や友達に教えてあげたいです。
ポイントを押さえて書くだけで、言いたいことや考えがわかる感想文になりますね。
ステップ4 推敲
下書きしたものを読み返してみてください。
- 削ったほうがいい所
- 詳しく書いたほうがいい所
が出てくるはずです。
いらないところには線を引き、書き足すところには色ペンで分かりやすく付け加えたりして、清書する感想文を完成させて下さい。
ステップ5 清書
手直しが終わったら、学校に提出する用の作文用紙に清書しましょう。
文字は丁寧に書いてくださいね。
これができれば完成です!お疲れ様でした!!
読書感想文の書き方まとめ
- 本選びは重要!(あとがき付きの課題図書がおすすめ)
- 作者が言いたいことを探すつもりで読む
- いきなり清書せずに、まずは下書きをする
- 自分の意見を交えながら、感想文の流れを意識して書く
- 下書きを読み返し、削ったり付け加えたりして整える
面倒な宿題は早めに終わらせて、楽しい夏休みにしてくださいね!